Hurly-Burly3 【完】


トイレの個室で用を済ませていると、話し声が

微かに聞こえた。

女子はトイレで噂話が好きと言うヤツを実証して

いるような気がする。

大して気になることでもなくてトイレットペーパー

を手に巻き付ける。

「知ってる、部外者が入ったらしいよね。」

部外者!?

保護者の間違いじゃないのと思いながら、

トイレの水を流す。

「あの7人学校来てない理由知ってる?」

ふと聞こえた声に耳を澄ます。

こんなことは良くないと思いながらも、

聞き耳を立ててしまうのは興味本位が半分、

みんなのモテ話だろうかってのが半分だった。

「あー、古河君たちだよね。みんなカッコイイ

のに近寄りがたいもんね。」

「分かるぅ~、有栖川君かっこよすぎるし。」

みんな、モテてまっせ!

それもそのはずか。

あの容姿をほっとけと言う方が無理だ。

「最近、戸羽校シバいたって話でしょー。

何か、そういうの聞いちゃうと怖いよね。」

「確かに、あのルックスは捨てがたいけどね。

何ていうの、危ないことやってそうだよね。」

な、何だか話の方向が悪い方に行ってないか?

「遠目で見るだけで十分だよねー。目の保養

以上に何も望まないし。そういや、ハルカ彼氏

といちゃいちゃ旅行したんだって?」

怖がられるって言ってたもんね。

周りを気にしてるわけじゃない。

周りが彼らをほっておかない。

みんなを好き放題にいう周りに諦めているんだ。

だから、あたしには何も言いたくないんだろうな。

もう別に聞こうとも思わない。

「そんで、部屋でまったりして・・・・」

あたしはあまりにも普通にしてた。

暴走族と言われてもパッとしないし、

学校に居るみんなしか知らないからだろう。

結局、未だにどういう組織図なのかも知らないし、

知ったところであたしには関係のない話だろうから

首を突っ込むつもりもない。