トイレの個室で用を済ませていると、話し声が
微かに聞こえた。
女子はトイレで噂話が好きと言うヤツを実証して
いるような気がする。
大して気になることでもなくてトイレットペーパー
を手に巻き付ける。
「知ってる、部外者が入ったらしいよね。」
部外者!?
保護者の間違いじゃないのと思いながら、
トイレの水を流す。
「あの7人学校来てない理由知ってる?」
ふと聞こえた声に耳を澄ます。
こんなことは良くないと思いながらも、
聞き耳を立ててしまうのは興味本位が半分、
みんなのモテ話だろうかってのが半分だった。
「あー、古河君たちだよね。みんなカッコイイ
のに近寄りがたいもんね。」
「分かるぅ~、有栖川君かっこよすぎるし。」
みんな、モテてまっせ!
それもそのはずか。
あの容姿をほっとけと言う方が無理だ。
「最近、戸羽校シバいたって話でしょー。
何か、そういうの聞いちゃうと怖いよね。」
「確かに、あのルックスは捨てがたいけどね。
何ていうの、危ないことやってそうだよね。」
な、何だか話の方向が悪い方に行ってないか?
「遠目で見るだけで十分だよねー。目の保養
以上に何も望まないし。そういや、ハルカ彼氏
といちゃいちゃ旅行したんだって?」
怖がられるって言ってたもんね。
周りを気にしてるわけじゃない。
周りが彼らをほっておかない。
みんなを好き放題にいう周りに諦めているんだ。
だから、あたしには何も言いたくないんだろうな。
もう別に聞こうとも思わない。
「そんで、部屋でまったりして・・・・」
あたしはあまりにも普通にしてた。
暴走族と言われてもパッとしないし、
学校に居るみんなしか知らないからだろう。
結局、未だにどういう組織図なのかも知らないし、
知ったところであたしには関係のない話だろうから
首を突っ込むつもりもない。

