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人の死に際というのはもしかしたら曖昧なもの
なのかもしれない。
もちろん、あたしは死んだことなんてないから
分かるわけないことだが、こんなにも意識が
朦朧としているとはっきりいって何もかもが
曖昧過ぎて自分では何がどうなってるのか分からない。
「おい、生きてっか?」
そんなことを聞いてくるけども、
死んでいたらどうするつもりなんだ?
額に手を当てられる。
体が鉛のように重くてずっしりとしてる
せいか振り払えそうになかった。
いつものように文句一つ言えない。
金色に輝く髪をぼんやりと見つめる。
何故に、お前が居るんだと聞きたいところ
だけど声すら出ないとは熱のせいだろうか。
「ゲホッ」
咳き出すたびに喉が死んでいく。
反動で脳にズキンと刺激が加わる。
「今、運んでやっからくたばんじゃねぇぞ。
どっか痛てぇところとかねぇよな?ぶっ倒れた
んだろ。どこもぶつけてねぇよな。」
慶詩の声が意識の遠くから聞こえてくる。
ここに来て、初めて垣間見たね。
慶詩でも人の心配が出来るほどの良心を持っている
事実を関心する。
「・・・慶詩さん、頭が破壊的に痛いです。」
「お前、意識あんのか?」
薄らとしか分からない。
慶詩の顔ですらぼんやりとしか見えなくて、
声も掠れて絞り出すことで紡ぐことが出来る。
「あったりなかったり・・・」
そういえば、もう結構暗いような気がする。
あたし、何があったんだっけか?
倉庫の整理を酒井さんとしてその後にケータイ
忘れて取りにここに来てそれから・・・・。

