Hurly-Burly3 【完】


透真さんがえっ?と顔を上げる。

「ひーちゃんに嫌われたんじゃないの?」

透真さんは昨日酔っぱらって日和に散々

迷惑をかけたことを職場の人に言われ

落ち込んでいたみたい。

「朝から調子が悪そうで」

「そ、そういえば!!」

透真さんの慌てようはあたしよりもすごかった。

「こ、こういう時は捜索願いを出さなきゃだ!!

警察に電話してひーちゃんを探してもらう・・

そんなことしてるんだったら自分で探した方が

早い気がするし・・・ひーちゃんに電話っ!!」

ケータイを取り出してコールを鳴らす透真さん。

「サユ、日和ちゃんは倉庫の整理してたんだよね?

それなら、その倉庫の整理を一緒にしてた人に

連絡は出来ない?」

マコの言葉にハッとしてケータイを取り出す。

でも、酒井さんの番号は知らない。

仕方なく思いついたクルミに電話を掛ける。

「学校に居る可能性が高いなら早く探しに

行った方がいい。」

修平の言葉を聞きながらも3コールで出たクルミに

勢いよく聞き出した。

「日和がまだ帰った来ないの!!

酒井さんはもう帰ったのか聞いてくれない?

あの子、風邪ひいてフラフラしてたのよ。」

「さゆっち、落ち着いて。

ひよっちが帰って来てないの?

酒井ちゃんに聞けばいいの!?

分かった、すぐに聞いてみるから折り返し待ってて。」

クルミからの電話を持ってる間も日和が倒れて

いるかもしれないからと急いで学校に行くことにした。

透真さんも修平もマコも追い越して学校に走った。

日和に何かあったらあたしは本当にどうしようもない。

この数か月で日和に降りかかった事件はいつも

あたしを冷やりとさせた。

いつか本当に日和が居なくなったらと思うと居ても

立ってもいられなかった。

あたしも一緒に残ってあげれば良かった。

そんな後悔が押し寄せてくる。