Hurly-Burly3 【完】


配役はくじ引きです。

運よく主役を引き当てたあたしのくじ運はとことん

ついてなかった。

サユは確か美術担当だった気がする。

登場人物が少ないことから小道具とかセットに

少し凝ったらしいが、みんな掛け持ちが多くて

部活の方でも出し物あるからとクラスの出し物は

それこそ居る人で何とかしよう状態だった。

「ヒヨリンが赤ずきんちゃんなんだ?」

可愛いだろうなっていうナル君。

「きっと、ナル君が赤ずきんちゃんの方が

可愛かったと思うよ!!」

想像してみると鼻血が出そうになった。

「えー、ヒヨリンでいいよ。」

ナル君、あたしはとっても苦労した。

主役なんてやったことなかったんだよ!!

いつも脇役のちょい役だったんだ。

それが主役だ。

最初は噛みまくるだろうと予測を立てて

いたのだが、饒舌赤ずきんちゃんになって

監督から中々OKが出なかった。

ぺろっともんじゃを4枚お腹に収める。

「ヒヨリン、よく食べるよね。」

ナル君の倍は食べているだろうあたしに、

ナル君も頑張ると言いながら食べていた。

「その割にデブじゃねぇしな。」

慶詩の口にこの野菜ミックスの種を

流し込んでやるぞと思いながらもう一枚

のもんじゃを食べ始めた。

「今日はいつもより食べてない?」

10枚は頼みましたからね。

「お腹空いてる。」

練習ばっかりで体力消耗している。

いつもはこんなに食べませんよ。

こんな調子で10枚を余裕で平らげた

あたしにおじさんはビックリしながら

裏メニューの焼き鳥丼を持ってきてくれた。

焼き鳥丼は大好物でぺろりとそれも平らげた。

伝統のつけダレがコク深くて最高の一品だった。