電話番号教えてなくてごめんねという
藤永さんにいいえと言った。
「女子高生とメル友なんて自慢話だね。」
「女子高生らしいメールの作り方を友人
から調査してみます。」
クルミちゃんから教えてもらおうと思う。
「ひーちゃ~ん!!」
兄ちゃんの叫び声がキーンと聞こえた。
「酔っぱらうと面倒なことになるので
放置でいいですからね。」
「透真、弱いんだよなー。」
「一本で記憶飛ばしてます。」
兄ちゃんの酒の弱さは父さん譲りだ。
藤永さんはだろうなと言っていた。
「それじゃあ、またね。」
藤永さんの言葉にはいと答えてから
通話を終了した。
ホッとしてケータイを鞄に押し込んだ。
「お兄さんの?」
馨君が大変だねと言いながら注文した
お好み焼きを作り始めた。
「上司の方でとても兄ちゃんと仲良くして
くれて、どうも兄ちゃんに酒を飲ませたらしい。
帰宅する兄ちゃんを家に居れることを拒みたい。」
「酷っ!!」
だって、ユウヤ兄ちゃんの介抱は骨が折れる。
「だって、兄ちゃん弱すぎるんだ。
その癖飲んでしまうのだからお馬鹿だ。
この間なんて壁に突進し出して凹んで
リフォーム屋さん呼んだぐらいだし。」
兄ちゃんの危行は元々だけど、お酒飲むと
本当に意味の分からない行動に出る。
「最悪なのはちゅーさせろと迫りくる
ことだ、何とも悍ましい!!」
あの時はジョセフィーヌに代役を任せた。
「お前の兄ちゃん軽く犯罪者になりそうだな。」
軽くじゃないよ。
「しかも、次の日になるとケロッと何もかも
忘れてるのが一番タチ悪いと思う。」
どうせなら、二日酔いで苦しめば良いのだ!!

