兄ちゃんの帰還でありえない方向に狂い出した

残りわずかな夏休みは嵐のようだった。

あの後、お風呂が溜まったので兄ちゃんに

全員連行されると言う惨事になったことで

あたしは友達を失う覚悟をした。

ぶつくさジョセフィーヌに愚痴を吐く。

『ハニーはそんなことで友情が崩れると

思っているのかい?』

だってね、ダーリンいきなり今日初めて

会った見知らぬ人とお風呂になんか入れますか?

しかも、人の家ですぞ。

あたしだったら必死に抵抗を見せるね。

嫌だと断固拒否だよ。

だから、きっとみんなに避けらえるのだよ・・・

『僕はそうは思わないよ。

ハニーが信じている人は簡単にハニーを

傷つけるようなことしないはずさ。

もしもそんなことをするならば、ハニーを

守ってあげるよ。』

ダーリンの強い愛を受け取った気がする。

「ダーリン!!」

今日は美味い飯食わせてやるわ。

ガバっとジョセフィーヌに抱きつき愛を深めた。

兄ちゃんの大好物の肉じゃがをあっさり作った。

そうめんセットも茹でてお味噌汁も作って、

ついでに残ったジャガイモでポテトサラダを作り、

買ってきたコロッケをお皿に盛りつける。

兄ちゃんの好きなものばっかりになった。

ジャガイモ多いような気がするのは気のせいにしよう。

テレビを見ながらジョセフィーヌと寛ぎ、麦茶を

飲みながらニュース番組を見つめる。

世の中の情勢をこうやって知っている。

何か知っておかなければならないことを

こまめにチェック出来るぐらいしないと。

ピンポーンというチャイム音が鳴って、

体が飛び跳ねそうになった。

リラックスモードになってウトウトしてた。

ジョセフィーヌが玄関まで一緒についてきてくれる。

『ハニー、こんな時に誰だろうね?』

うん、サユ家の誰かじゃないの!?