Hurly-Burly3 【完】


何ともどうしようもない父親である。

「お前がさせてみろ!!」

「えー、嫌だよ。伊織君のハートは黒いに

違いないもん。」

真っ黒なハートは要らないのです。

「お前ホテル連行すんぞ?」

「ひ、卑猥なことを言うな!!

未成年をナメないで頂きたいわ。」

「舐めまわしてやんぞ。」

伊織君の瞳にゾクリ。

「死んでもご免だわ。

むしろ、死んだ方がマシだわ。」

恐ろしいことを言わないで欲しい。

顔を真っ青にして伊織君から距離を

取ることに成功した。

「すげぇ嫌そうな顔だなおいっ」

「ポーカーフェイスですが何か?」

「全然、そう見えねぇんだけど。」

気のせいではありませんか?

「日和ちゃん、無理しないでちゃんと言ってね。」

馨君がふわっと頭を撫でてくれた。

「大丈夫、何だかんだですごく楽しいから、

本番も全力を尽くします!!」

「頑張ってね。」

馨君が優しく笑って言うが、ちょっと待て。

「“頑張ってね”って何ですか!?」

そういや、全然体育祭の練習になってから

殆ど顔出してなかったよね。

「飯、食いに行くぞ」

ちぃー君のマイペース加減には恐れるものがあるよ。

「えっ、ご飯食べに行くんですか?」

「お前、兄ちゃんに都合つけろ。」

ちぃー君、勝手すぎやしない!?

もしもあたしに用事があったらとか

考えないのか!!

「待って、飯はいいさね!!あたしの話を

中断というのが気にくわない。」

体育祭出ない気なの?

ユウヤ、楽しみにしてたのに出ないつもり

とか言ったらはっ倒してやる。