本当にあたしとしたことが。

一体、何の話をしていたかしら?

「とりあえず、馨君の悩み事は解決出来ましたか?」

そうだねという馨君は微笑んでいた。

「日和ちゃん、しばらく会ってない内に

グレードアップしてない?」

それはパワーアップのことかしら?

「どうでしょう?

あたしは常に向上心を高めるためにも

進化を求めています。」

顔を青くする馨君。

「それはちょっと心配になること

聞いちゃったかな。」

「パワーアップに上限はないのです。」

「増々心配になって来た。」

さらに顔を真っ青にする馨君に首を傾げた。

「そういえば、日和ちゃん。」

「はい?」

「お腹空いてない?」

「ええ、もうペコペコですよ!!」

放課後体育祭の練習で体力を消耗したせいで

お腹が今にも悲鳴を上げそうなほどお腹が

空いているのである。

「それじゃあ、一緒においで。」

馨君、それは魅惑のお誘いだわ。

「ぜひとも。」

「あんまり知らない人に付いて行かない

ように気を付けようね。」

「はーい。」

非常階段を後にして馨君の隣を歩きながら

校舎に再び舞い戻った。

もう帰る筈だったからスニーカーを片手に

夕日に染まる校舎に足を踏み入れた。

静かな廊下とは裏腹でいつもの部屋は

賑やかだった。

それはもう煩いよと苦情が来るのではない

かと思うほどにだ。

どうやら、その原因はよっちゃんのオナラ

らしいがよっちゃんは頑なに無実を訴えていた。