Hurly-Burly3 【完】


身だしなみは女性の品格だもの。

顔にゴマがべっとり付いていたとなっては

ドン引きじゃないか!!

急いでほっぺを乱暴に拭いだすあたしに馨君は

目を点にして見ていた。

あたしはというと必死過ぎて馨君のため息には

気付かなかった。

「日和ちゃん、何してるの?」

「ご、ゴマべったり付いているかと・・・」

カーディガンで拭ったところをみて見るも

ゴマ粒すらついてない。

あらま、あたし醜態曝け出してなかったわ。

「日和ちゃんが鈍感で良かった。」

「えっ!?」

やっぱり付いていたのね!?

「こっちの話だよ。」

馨君がクスクス笑ってる。

よく分からないけど馨君が笑ってるから

あたしは奇跡を起こしたのかもしれない。

何か知らないけどナイスあたし!!

「あ、馨君見て見て!!

飛行機雲ですよ。」

白いラインが水色の空に引かれる。

「すぐに雲が消えてしまうので

明日は晴れますよ。」

「それよく聞くけど何でか知ってる?」

もちろん、あたし知ってますよ。

「飛行機が飛んでいる上空1万m付近の気温は

氷点下30度くらいなんですよ。飛行機雲は

飛行機のエンジンから出る排気ガスが元になって

いますので、排気ガスに含まれる暖かい水蒸気が

上空で急激に冷やされて雲ができます。」

「へぇ」

「だから飛行機雲がすぐ消えるということは上空が

乾燥しているので翌日も晴れ。なかなか消えなければ、

上空が湿ってきており天気は下り坂というわけです。」

「さすが、日和ちゃん物知りだね。」

えっへん。

気になることは理解するまで調べる癖なもので

小学生の時に知ったわ。