長年の付き合いだけあって息がぴったりだと

体育の先生にも言われたほどだ。

仲良しなのは誰にも負ける気がしない。

それにサユを転ばせるなんてあたしはそんな

失態をしてはいけないのである。

この美脚に傷でもつけて見たまえ。

サユが転ぶぐらいならあたしが下敷きになる

勢いである。

「日和、転びそうになると受け止めようとするの

やめてくれない?」

「何を言うか!!さーちゃんに掠り傷一つさせないわ。」

サユの冷たい瞳が何気心のバロメーターを下げる。

「わ、分かったわ、じゃあ滑り込みしてみせる。」

「日和、あんたのために殴ってやるわよ?」

さーちゃん、今日もツンモードフル全開です。

「こ、転ばなきゃいいんだもんね。」

「逃げたわね。」

二人三脚それはある意味一心同体になるようなもの。

「あの2人、仲良いな。」

「美少女と美人の組み合わせがいい。」

「期待大だな。」

そう周りに思われているとも知らずに

あたしは練習に打ち込んだ。

サユとのコンビネーションを試されている

ものだとばかり思っていたのであった。

サユはとても美人だからこそ周りの目が

サユに集中するのね。

「サユ、今日はマコ君が迎え来るの?」

サユに彼氏が居ると言うことはもうかなり

の有名な話となっているので誰もサユに

お近づきになろうとしない。

それもそのはずである。

マコ君ほどの男は中々居ないのだからみんな

負けを認めて諦めるものだ。

「来るんじゃないの?」

入学当初はかなり先輩から猛アタックされたりと

そのモテっぷりには冷や汗を掻いた。

だが、サユのフリっぷりは凄いものだったと

風の噂で聞いたことがある。