だから、ゴットハンドYAMATO!!
そう呼んでもいいかもしれない。
「大和さんは次いつ来るのですか?」
「そうですね、今のところまだ決めては
いませんが、今年中にはまた来ますよ。」
今年中か。
もう10月に入る手前だもんね。
本当にあっという間だ。
「話は進んでいるの?」
6年前に与えられたあの話。
「進んでいますよ、焦らずとも来年の3月には
確実に決まることです。」
焦ってなんていないよ。
ただ、時々嘘になったりしないかなって思う。
もしかしたら、あの日のことは幻だったのかも
しれないと思わずにはいられない。
「伯父様にはいつ頃会えそうなの?」
元気にしているだろうか伯父さん。
「お忙しい方ですから年内には厳しいかと思われます。」
伯父さんと会う約束をしても半年は会えなかったりする。
それぐらい、忙しい人だ。
同じ兄弟でも雲泥の差だ。
家の父さんのお兄さんなのにばりばりの仕事人間だ。
ある意味、あたしの父さんはどこかで踏み間違え
たのかもしれないと思う。
「焦ることでもないからいいんだけどね。
兄ちゃんにはまだ知られたくないから、
こっちからの連絡も伯父様からの連絡も
しばらくは控える。」
「そのご意志はお伝えしておきます。」
兄ちゃんが知ったら血相変えて反対する。
駄々こね具合は納豆の粘々よりしつこい
レベルだと思うから。
「お願いします。」
兄ちゃんに知らせるのは確定してからでいい。
もう待ったが効かないその時には兄ちゃんが
いくら反対しても事は元に戻ることが出来ない
そんな時じゃなきゃあたしの決心が水の泡に
なって消えてしまうかもしれない。

