お食事にはフレンチの美味しいお店に予約を
してくれていた大和さん。
大人の男と言うのはいかなる時もスマートで
そのさりげなさが魅力的だ。
絶対にここは高いお店だと思う。
メニューすら大和さんがパッパと決めて
オーダーしちゃうから本当にお任せプランだ。
最近、こういうお食事はしてない。
「大和さんってこういうお洒落なお店とか
よく行くんですか?」
謎の男YAMATOを研究中です。
「どうでしょう?」
曖昧に微笑む大和さんはズルい人だ。
曖昧に答えられると突っ込んだ質問は
ご遠慮頂こうと言われている気がして
聞くに聞けない。
「日和様はこういうところがお嫌いでしたか?」
大和さんが連れて来てくれたのに嫌いだなんて
滅相もございませんよ。
「嫌いではないよ。」
でも、正直なところをいうと好きでもない。
あたしが好きなのはこの前みんなと行った
もんじゃやお好み焼きを食べた店の方だ。
鉄板の熱気といい、ソースの匂いといい。
お洒落な店なんかよりも赤い提灯がお店の
前に飾られたあのお店の方が好き。
「あまりお腹いっぱいにはなれませんよね。
そしたら、帰りにラーメン屋さんに寄りましょうか?」
大和さん、その申し出受けちゃいます!!
「ラーメン!!」
「嬉しそうな顔ですね。」
だって、ラーメンも好き。
「大和さんラーメン嫌い?」
「好きですよ。」
微笑む大和さんは優しい瞳をした
人で心がスッと軽くなったような
気持ちにさせてくれる人だ。
「じゃあ、何味が好き?」
あたしはベタだが、醤油が一番好き。
叉焼が分厚いほど嬉しさ度合いは変わってくる。

