完全なる寝坊だ。
休日でも朝6時には起きていたい主義なのに
もう10時を通り過ぎている。
こんなことは本当に珍しいことだったりする。
ジョセフィーヌもご飯を待っているという
状況で一日の初めから出鼻を挫かれたような
そんな体験だった。
眠れない夜でも眠りにつかねば恐るべき
事態が起こるやもしれないというわけで
今回は今後のためにも良い経験になったと思われる。
お昼を食べて読書をしていたらあっという間に
夕方になり洗濯物を取り込んでいると待ちに待った
大和さんからの連絡にウキウキしながら待った。
連絡から数分後彼は予告通りにやってきた。
スーツ姿は大和さんらしくて大和さんがスーツ
以外の服を着たところなんて殆どみたことはない。
「お待たせしました。」
黒髪に甘いマスクに仕事の出来る彼は完璧だ。
正しく、文句の付けようもない。
世の中、こんなに出来た男は中々居ないと思う。
そんな大和さんはまた謎にも包まれたよく分からない
人でもあると思っている。
「大和さん、何か飲み物は?」
「早速ですいませんが、ドライブにお誘いしても
よろしいですか?」
えっ!?
ドライブだって?
それはまたどういった風の吹き回し?
大和さんが珍しいこと言ってる!!
「良いです!!」
ジョセフィーヌは大和さんを警戒して
どこかへ行ってしまった。
「では、行きましょうか?」
大和さんが手際よくエスコートしてくれるから
任せっぱなしでもいい気がしてくる。
「はい、お任せします。」
大和さんには安心感を覚えている。
幼いあたしの手を引いてくれたいつの日か。
世界が変わり始めた瞬間に大和さんという
信頼の出来る人が傍に居てくれたからあたしは
捻くれたりなんかしなかったんだろう。

