土曜日の夜は何をしてもゆっくりと時間が過ぎていく。
兄ちゃんは真君の家に泊まりに行ったから静かな
空間があたしのリラックスタイムとしてやってきた。
ジョセフィーヌはソファーでむにゃむにゃと眠ってる。
あたしのダーリンは寝姿もイケメンだ。
睫毛が長く大きなおめめを閉じて鼻をピクピクさせて
可愛くてしょうがない。
そんなジョセフィーヌを横目にお兄ちゃんがプレゼント
してくれた星空のジグソーパズルに手を付ける。
何故、お兄ちゃんはこんな高度なジグソーパズルを
買ってきてくれたんだ!?
星空とか全然形が見えてこない!!
むしろ、適当になりそうだ。
天体観測が好きだったのをよく覚えてるなと思いながら
北斗七星を作り上げる。
お兄ちゃんは今頃仕事で忙しいんだろうか?
疲れて倒れなきゃいいけど、お兄ちゃんも母さんも
頑張ると自分の限界を確実に突き破る人だ。
そういえば、大和さんはまだこっちに居るのかな?
結局、まだ話せてないわ。
あの兄ちゃん帰還の日から大和さんは顔を見せて
くれないし、連絡していいのかさえ分からない。
大人の人への接し方というのも曖昧なものがある。
ボーっとジグソーパズルを見つめていた頃に着信
の音が聞こえてドキリとした。
こんな夜に一体誰なのかしら?
※11時半を過ぎています。
今日はどうも眠れなくて徹夜でジグソーパズル
でもしようかなと思っていた矢先のことだ。
「はい。」
『夜分遅くにすいません、日和様。』
丁度、大和さんのこと考えていたところだったよ!!
大和さんエスパーだ。
ううん、もう透視出来る男に違いない。
「寝てないからいいよ?」
それにしたって、大和さんがこんな夜に連絡
してくるなんて珍しいな。
何か急用でも出来たのかもしれない。
嫌な予感を感じながらもジグソーパズルのピース
から手を離した。

