Hurly-Burly3 【完】


そんな藍ちゃんが笑うと嬉しくなるのです。

「藍ちゃ」

「あのお巡りさんに変質者ですって突き出すよ?」

「ごめんなさい!!」

それだけは勘弁して下さい。

「分かればいい。」

クスリ笑う藍ちゃんはジョセフィーヌの顎を

優しく撫でるとあまり見せない笑みを浮かべた。

「藍ちゃん、ジョセフィーヌがとても

喜んでおります。」

まぁ、何てはしたないのかしら?

ヨダレ垂れているわよ!!

ジョセフィーヌめ。

「ジョセフィーヌ・・・可愛い」

ボソっと呟く藍ちゃんに驚いて

あたしもジョセフィーヌも目を見開いて

藍ちゃんをガン見した。

「藍ちゃんの方が可愛いです!!」

首をふりふりするジョセフィーヌ。

「藍ちゃん、今日はとっても素直な子です。」

いつもそれぐらいだといいのにな。

まぁ、クールな藍ちゃんも可愛いと思う。

「それどういう意味?」

藍ちゃんと過ごすこの時間は一週間の中でも

ほんの数時間。

それでも、十分藍ちゃんを知ることの出来る

時間だとあたしは思っているから好きで毎週

かかさず来ている。

出会ってどれぐらい経ったのか藍ちゃんとこの

土手で会うことが出来たのも何かの縁なのかもしれない。

そんな縁を常日頃大事に思いたい。

藍ちゃんみたいな素敵な女の子とお友達に

なれたのはやっぱり奇跡に近い気がするからだ。

「藍ちゃん、映画の件はまたご連絡しますね?」

「・・・うん、いいよ。」

クールな藍ちゃんが本を鞄に仕舞う。

そんな藍ちゃんの足にべったりとくっつくマイダーリン

のだらしなさにげっそりしながら貴重なその時間を

ゆっくりと楽しんだ。