サユは本当にあたしが好きだな。
「昨日も何かあったっていうから心配になっただけよ。」
ツーンモードでもやっぱり愛すべきツンデレ。
「サユちゃん、ラブ~」
ベシっと叩かれるもサユはもう心配させないでよと
プリプリ怒ってた。
「サユ、日和ちゃん、ここは物騒だから出ような。」
マコ君の誘導の元部屋を出た。
※因みに田中も連行された。
「おいっ、横山!!」
慶詩の声が聞こえるも、マコ君は振り返らず
片手を上げてそのまま校舎を後にした。
あたしはさすがにみんなについてきたのに
いいのかなと思って振り返った。
「日和?」
多分、あたしにはまるで分からないことだらけだった。
あの、ナル男の存在や目の前に居るマコ君と田中の
ことが全く分かっていなかったと言える。
中学時代から2人を知っているというのにどこか
遠い人になりかけている。胸騒ぎがして心がざわつく。
「マコ君と田中はみんなと同じようなことしてるの?」
いつだってマコ君は優しい人だった。
年寄りのおばあさんが信号の途中で重そうな
荷物を持ってるとすぐに駆け寄るタイプの人だ。
田中だって野球に熱心で毎日努力をしていたはずで。
そんな素振りを見たことはなかった。
サユの顔が暗くなる。
「日和ちゃんはどう思う?」
マコ君の言葉はあたしを試しているような気がした。
「みんなと同じことをしていたとしたらってこと?」
「うん」
そんなの決まってるよ。
「マコ君はマコ君だよ。
何をしてたって友達だもん。
みんなと仲良くしてくれてるのなら嬉しく思わなきゃ。」
嫌われ者だっていうみんなと対等にしているマコ君
を誇りに思った方がずっといい。
例え、世間的な悪い人たちの仲間入りでも
あたしの友達ですと声を高らかに言うわ。

