でもね、サユ。
ここに来たのは誰でもなくあたし自身だ。
「さーちゃん、あたしが着いて来た。
偶然みんなに会ったのです。なので、
怒りの根源は全てあたしにあると言える。」
「なっ、あんたたち日和のストーカーなの?」
サユそんな目でみんなを見ないであげて。
みんなは何かご用があったみたいよ。
ストーカーだなんて滅相もないわ。
「日和ちゃん、サユリちゃん止めるのプロだね。」
これでも10年の付き合いになりますから。
力なく項垂れるサユにひしっと抱きつかれた。
「何もされてない?」
「ええ、一瞬危機が訪れたぐらいよ。」
あの鏡を持ったナル男に。
「何、誰に何されたの返り討ちにしてやるわ。」
いえ、そんなに怒りを露わにしないで下さい。
この場の人が全員下を向いたぞ。
みんな目を合わさないようにしちゃってるぞ。
「さーちゃん、マコ君と一緒に回っていた
のではなかったの?」
「日和が居なくなったって田中から聞いたのよ。」
えっ!?
居なくなっただと?
お前、田中っ!!
ギロっと田中に視線を移す。
「あ、えっと、ここ来る前に戻ったら日和ちゃん居なくて・・」
入れ違い!?
もしかして、後少しの辛抱だったのか?
それなら、待ってれば良かった。
「でも、日和ちゃんが無事で良かった。」
マコ君、キラキラスマイル。
「無事って・・・・」
あたしお子ちゃまだと思われてるの!?
幼稚園児の初めてのお遣いの時の親の顔だよ。
マコ君、完全にお父さん化してる。
「日和ちゃん、可愛いからさすがに焦ったんだよね。
サユもこの通りだしね。」
マコ君、サユにつき合わされたと見るよ。

