「えっ、この学校の田中でそんなヤツ居たっけ?」
ナル男が後ろの男2人に聞いている。
「どうでしょう?」
た、田中、存在を否定されている。
「しゃ、写真がどこかになかったかしら?」
ケータイを開いてフォルダーを探ろうとした時だった。
コンコンという扉の音が聞こえた。
「来客が居ると聞いたんですけど、待ってる子が
居るので用件だけ置いて帰ります。」
この声。
聞き覚えがあるのです。
「ん?」
ナル男がう~んと考えている中、
その声は鮮明に聞こえていつの間にか
扉に向かって走っていた。
「すいませんが、数分張ってましたけど
東はまだ来て」
ガチャリと音を立てて扉を開けた。
「やっぱり、田中!!
お主、どこに行ってたの?
迷子になったのではないかと思っていたのよ。」
「えっ・・・・・日和ちゃん!?」
田中との再会に驚いた。
まさか、こんなところで会うことになるとは
思っても見なかったのだ。
「田中はお前か!!」
慶詩の声が響いてビックリした。
この部屋の全員が田中に視線を集める。
「俺、田中って水谷君か。」
慶詩を知っている!?
「日和ちゃん、どうしてこんなところに居るの?
こんなところに来ちゃ駄目だよ。
マコに殴られる・・・サユリちゃんに殺される・・」
顔を青ざめる田中。
「それはこっちのセリフよ。
どうして、田中ここに来たの!?
あたしというものが待っているというのに!!」
あたしを放置して何をしていたんだ!?
馬子さん被らせて何をさせたかったんだ?
それに何か田中変だ。

