Hurly-Burly3 【完】


「そうだろ?」

男が後ろの人へ聞いた。

「そうですね、一旦帰ったみたいですけど、

戻って来て始末つけてますよ。」

どうも物騒な話みたいね。

あまり首を突っ込まない方が良さそう。

ナル君の手を握ったまま早く終わらないかなと

思いながら時計を見た。

チクタクと動く秒針を見つめる。

あの針は糸みたいに細い。

「問題ないならいいんだけどね、

その東と揉めたのは日和ちゃんでもあるから。」

いきなり呼ばれたのかと思ってビクッと肩を揺らした。

「どんなヤツだったか特徴は覚えているかい?」

目の前に座るソファーの男は優しく聞いてくる。

「スキンヘッドのハゲ田さんと鼻にピアスした

グロテスクです。」

「大体、検討ついた。」

アイツかと顎に手を添えて考えるナル男

「日和ちゃんは何もされなかったんだよね?」

「はい、田中があたしを庇ってくれていたので。」

あの時のことはよく覚えている。

何か起こりそうだったのに田中が空気を変えた。

「田中?」

「この学校に通っているあたしのお友達です。」

「田中?」

「ええ?」

ナル男がう~ん検討つかないと言う。

「この学校に田中は30人ほど居ます。」

それで後ろの人がフォローした。

「そ、そんなに!?」

田中が30人も居るのね。

パッとしない名字なのに意外と居るわね。

「隣のクラスにデブな田中が居るんだけど、

そいつじゃないよね?」

ナル男、デブって酷い。

せめても、豊かな肉体をしたとオブラートに

包んであげようよ。

「デブだなんて滅相もない。田中はイケメンだと思う。」

田中はマコ君の幼馴染なだけあってイケメンだよ。