Hurly-Burly3 【完】


「おいおい、待てよ。

ひよこのお嬢お前こんなことが頻繁に起こってるか?」

「いや、初めてだ。

人にあんなにはっきりと告白されたのは人生で初めて

だと言っても過言じゃない。」

伊織君、あたしはちんちくりんなんです。

「えっ、日和ちゃん誰かと付き合ったことすらないの?」

男はキョトンとあたしを見る。

「ない。興味がない。」

「Reary?」

何故、急に英語になる?

「この手の話は苦手だ。

出来れば他を当たってくれたまえ。」

大体、あたしは人付き合いだって避けて

きたほどだ。

誰かを好きになるとか考えただけでも

蕁麻疹が出てきそうだ。

「だとよ~」

伊織君の言葉に男は残念そうにソファーに

座り直した。

そして、鏡を取り出してファサ~と髪を念入れ

にチェックしだした。

彼は多分俗にいうナルシストという分類に入る

方なのだろう。話には聞いていたわ。

自分のことを好き過ぎる人間。

生命はとっても不思議だわ。

人間にもいろんな人に分類されるんだもの。

「ところで、何の用だっけ?」

男がウィンクをしてくるので背筋が凍りつく。

いや、イケメンだけど許せぬ。

「東の件ですよ。」

部屋に居た男の人の声が後ろから聞こえて

きてビックリした。随分と存在が薄かった。

「ああ、その話か。昨日の今日で来たわけか。」

あたし、聞いてていいのかしら?

「片付いてんだろうな?」

「片付いたも何も昨日あの後の処理は全部

蒼大が引き受けてくれたからね。」

処理とは何かしら?

そこはツッコミを入れるところなのだろうか。