「そんなことではお付き合いどころか全世界
の女の子を敵に回したようなものです。
出直してくるべきです。」
はっきりとそう告げると彼はムクっと起き上がった。
「いい!!俺はやっぱり君を諦めない。」
どうも彼は打たれ強い人らしい。
「な、ナル君」
男に捕まる前にナル君の背中に逃げ込んだ。
「駄目だ、ヒヨリンのことは諦めろ!」
「嫌だ、嫌だ」
な、何てしつこい人なの!!
「上條、お前頭イカレたんじゃねぇか?」
そうさ、慶詩もっと言ってやれ?
「どこがだ、こんなに可愛い子が傍に居る
とか聞いてねぇ!!」
「はぁん?どこが可愛いってか?
お前は知らねぇだけだ、コイツの実態を知れば
幻滅の嵐だぞ。」
し、失礼なことばかり!!
「だったら、その子くれ!!」
あ、あたしは物ではない。
「あたしは・・・」
物ではないからと言おうとした。
「どこにもやんねぇーぞ」
えっ?
ソファーでクッキーに手を伸ばすちぃー君が
こちらを見ていた。
今のは高鳴るぅー。
「そうだよ、まず日和ちゃんは物じゃないんだから
そういうこと言わないでくれよ上條。」
「そうだ、そうだ、ヒヨリンはやらないぞ!」
馨君とユウヤがやれやれと言った感じに
言うのを見てホッとした。
本当に保護者みたいだ。
「日和ちゃんって言うのか。
俺は絶対に諦めないぞ。」
「ひよこを困らせるようなことしたらバリカン持ってくる」
京様、落ち着いた口調ですごい恐ろしいこと口にしたよ!?
何気ムスっとしている。
何か気に障るようなことがあったのかしら?

