Hurly-Burly3 【完】


そうよ、人間違いだわ。

「ハッ、こ、この絆創膏は君がくれたんじゃないか!!」

ポケットから取り出した絆創膏を見せつけてくる。

「あら、あたしが持っている絆創膏と一緒だわ。

貴方もひよこさん絆創膏の使用者だったのね。」

「ち、違う!!金曜日、君がくれたんだ。」

き、金曜日!?

う~ん、ちっとも思い出せないわ。

あの日は散々で今も思い出したくない。

「あ、あの知恵の輪の?」

「そうさ!!」

よくあんな暗闇で知恵の輪なんかやってられる

と思ったのよね。

「君は二度も俺のピンチを救った女神だ。」

「それは言い過ぎなのではありませんか?

そして、何を救ったのでしょう?」

あたし突進しかしてないわ。

あの日の夜も突進、今も突進した。

「あの日から心を奪われたままなんだ。」

「ゾッとするような歯の浮くセリフです!!」

と、とにかく、この手を離して頂かないと。

「ド突きあいはご免です!!」

「だから、君は何か勘違いをしている。」

みんな、何をキョトンと見ているのだ。

今、まさにあたしがピンチだ。

「勘違いならあなたがしているのではないですか?」

「もしかして、他に好きな男でも居るのかい?」

迫りくると言うのはこういうことなのかしら?

「・・・・好きな男?」

いきなり、何を言い出すんだこの男!!

「付き合うってのは男女の意味で何だけど?」

男女?

付き合う?

ツキアウ?

「分かった、こういえばストレートに伝わるかな?

俺の彼女になって下さい。」

「結構です。」

即答したあたしに目の前の男が氷河期の世界へと

旅立ったのだった。