Hurly-Burly3 【完】


そして、これが現実逃避というあたしの得意技。

何か男っぽいことをすればいいのかしら?

どうしてもバレてはイケない感じだ。

クイクイっと人差し指で挑発する。

「えっ?」

男の顔が近づいてきたのを見計らって馬子

必殺鼻アタックを決める。

「ぐほっ」

男の顔面に見事ヒットした。

そして、ファイティングポーズを取る。

「ほ、ほら、見ろ。女はこんなことしねぇぞ。」

慶詩、失礼だわ。

後で同じようにアタックしてやる。

「そ、そうだよ、さっきのパフォーマンスだって

見たよね。」

ナル君の可愛い声が聞こえる。

「お、お前顔見せろ!!俺のビューティフルフェイス

を何てことしてくれたんだ!!」

どうも彼の怒りを買ってしまったらしい。

鏡を見てチェックする男はよしっ決まってるぜと、

どこも怪我をしていないことを確認する。

その隙にと思ったのも束の間馬の被りモノ

を取ろうと手にかけてきた。

それを必死に防ごうとする攻防が始まる。

「な、何て豪腕!?」

し、失礼なレディーのか弱いお手を!!

「あ、向こうにジョニー・デップが

手を振っている。」

フェイントをかけるとまんまと引っ掛かった

男を押しのけて扉へと真っ直ぐダッシュ。

そこへ、もう1人の男に捕まり舞い戻る。

みんなは盛大なため息を吐く。

「君、喧嘩を売ってるようにしか思えないんだけど?」

鏡を持っていた男に被りモノをまた取られそうになる。

これは絶対に外しちゃいけないような気がした。

「だ、駄目だ!!これを取ったら人類は滅亡する。」

騙されるわけないことを口にしてみる。

「そ、そうなのかい!?」

手を引っ込めるその男は意外と馬鹿っぽい。