ナル君が照れているとは気付かずに握った

手に身体を預けている状態だった。

「すげぇ2ショットだな。」

「えっ、本当!?」

慶詩のボソッという言葉に気になる。

「ウチの可愛いナルちゃんと馬子って

ある意味夢のコラボレーションじゃねぇ~の?」

伊織君、あたしはただの馬子なのね。

「折角だから写真撮って!!」

とっても、見てみたいわ。

ということで、慶詩撮影でナル君と

2ショットの写真を撮って貰った。

「こりゃ、待ち受けにいいな。」

待ち受けにするんかい。

「ぎゃははははっ・・腹が裂ける」

ユウヤの笑い声が響くのだった。

全く煩くてしょうがないわ。

ユウヤには静かな笑い方を教えてあげたい。

それから、屋内に入ったと思われる。

狭い隙間から見えるのは制服を着崩した

この学校の生徒と思われる人?

ちょっと、すごい視線で見れれているわ。

そして、明らかにみんなに頭を下げている。

「な、何者なの!?」

みんなは崇拝されるほどイケメンだとは思うけど、

男からこうずっと頭下げられてるのはどうよ?

「お前、しばらく黙ってろ。」

えっと、ちぃー君それは煩いと言ってます?

「ちぃー君、黙ってるから煩いって思わないでね。」

「・・・・・ナルの手放すなよ。」

「ラジャーです!!」

ちぃー君からの指令を頂きましたから、

頑張って任務を全うさせてもらいます。

ドキドキしながらもナル君の手をしっかりと

握って前進をする。

もちろん、黙ってだ。

しばらく、あたしは無言を貫かなきゃならない。

頑張るのだ、あたし。

みんなに迷惑かけないように背後霊のごとく

存在するのです。