馨君が後少しでも遅かったらあたしは確実に

顔面から地面とこんにちわしてた。

さすが、紳士なナイト馨君だ。

あたしの腰に腕を伸ばしてくれてストッパーになった。

「日和ちゃん、驚かさないでくれる?

心臓の寿命が縮むから。」

馨君、あたしが一番驚いたよ。

こんなところにバナナの皮ですよ?

どこの猿が置いて行ったのかしら!!

バナナの皮投げつけてやりたいわ。

「馨君、ナイスアシスト!!」

馨君が困ったように笑う。

これは相当困っているわ。

「ヒヨリン、手握ってようか?」

ナル君の申し出に馬子頷きまくる。

ナル君が目を見開いて怖いと慶詩に

逃げるところにユウヤがあたしの頭を止めた。

「ナルちゃんが怖がったじゃねぇーの。」

だって、伊織君。

この馬子で歩行するのは意外と怖いよ。

「ごめん、ナル君嬉しすぎる馬子の表現なの。」

ナル君を怖がらせてしまったわ。

何か、挽回のチャンスはないかしら?

「ヒヨリン、見づらいんだよな?」

「うん、そうなの。」

そっとナル君が近づいてきてくれた。

「ヒヨリン、大丈夫だかんな。」

「ナル君のお手を握れるなんて夢のようです。」

意外と大きいお手手でビックリです。

「これで安心して歩けます!」

ナル君が隣を歩いて手を引いてくれてる。

それはさっきよりはずっと安心感があった。

「えっ、そう?」

「うん、ナル君頼もしいです。」

ナル君のお顔を拝見したくても中々

狭い視野からはナル君のキャラメルハニー

の髪が微かに見えるぐらいだった。

でも、さっきは何気いろいろぶつかって

いたけど今はちっとも当たらないからナル君の

おかげだと思うんだよね。

後でちゃんとお礼を言わせて貰いたいな。