心に軽くダメージを受け続けた感が半端ない。
「ヒヨリン、ここがどこだか分かってそんな
こと言ってるの?」
ナル君、誰もあたしなどに声は掛けません。
「せめて、田中が来るまでは一緒に居ないと
心配だからね。」
「あのね、馨君、田中はきっとどこかで迷って
いると思うんだ。あたし探しに行くからいいよ。」
きっと、田中は帰れなくなったことを言えなく
なって今も彷徨っているに違いないわ。
意外とプライドの高い男だったのね。
「お前分かってなさすぎる。」
伊織君明らかに面倒臭い顔したでしょ?
「分かってないって、田中は方向音痴なのよ。
ちゃんと分かってるわ。」
「だから、分かってねぇって言ってんだ。」
伊織君、煙草吸っちゃう!?
ここ一応学校です。
「何が分かってないのかイマイチ分から」
「よ~く見てみろよ。」
ジッと観戦してみましょう。
「これで何が分かるのでしょうか?」
ありんこたちが集まっています。
わいわい食べ物運び放題だと騒いでます。
地面をガン見するあたしに盛大なため息を
吐くみんなを見て首を傾げる。
「お前ありんこにしてやろうか?」
伊織君が得意技の魔術を掛けると言ってます。
「いいえ、結構だ。」
それは断固拒否でいいです。
「よく見ろって向こうのことだろうが。
そんなことも分からねぇ~とかお前の
脳もそれほど大したことねぇな。」
伊織君、あたしに喧嘩売ってる!!
「その喧嘩受けて立ちましょう!!」
「ヒヨリン、ここは女の子が1人で
居たらとてもじゃないけど危ないんだよ。」
ナル君の真剣な表情に言葉を詰まらせる。
あたしを女の子だと思ってくれているのね。

