でも、田中本当に遅いわ。
どこかで道草くってるのね。
田中、ああ見えてイケメンだからきっと
女の子に声を掛けられてしまったり・・・
「あたしに連絡を寄こさないなんてやっぱり
田中は熱中症で倒れている?」
さっき、顔真っ赤にしてたし。
「お前の脳内精密検査受けて来いって。」
慶詩に頭の心配されるなんて屈辱的だ。
「横山、相当心配だったんだろうね。
日和ちゃんがこんな感じだからこれ
持たしたんだろうなって今なら分かる。」
馨君、マコ君の真意が分かるのかい!?
「マコ君はあたしに馬子になりきる芸を
身に着けて欲しかったんだろうか?」
「それは違うと思うよ。」
馨君が苦笑いを浮かべる。
「ところで、何故みんな来てるの?」
揃いに揃ってるし仲良しで何よりだ。
休みの日も仲良く遊びに・・・・
「見ろよ、あの子可愛いぞ。」
ここは男子校です。
女の子のお客さんも多いですが、
男子高校生の巣窟なのです。
「聞きましたか!!あたしが」
「あの綿あめ持ってる子。」
ガーン。
ナル君を指さす勘違いメンズ。
「この世界から男など居なくなればいい・・・」
どうせ、あたしはちんちくりんです。
男子校に来ても一切容姿を褒められておりません。
「日和ちゃん、そんなに落ち込まなくても。」
「ケッ」
※日和はニヒルにやさぐれてます。
「あの子が本命だよな。」
そんな周りの声が聞こえていません。
それを聞いてナル君がガン飛ばしまくっている
ことに日和は気付きません。
「ヒヨリン、やっぱりそれ被ってて。」
ナル君、馬子さんが気に入ったの!?

