とにかく、田中は昨日のようなことが起きない

ようにと慎重だった。

何気ボディーガードみたいで面白かった。

田中には笑いごとじゃないよって言われた。

「日和ちゃんに何かあったら困るんだよ。」

「サユたちが怖いからね。」

「それもあるけどさ・・・・・」

田中は俯く。

「何かあるの?」

「日和ちゃんは鈍感だな。」

そう言いながら、田中が苦笑いをした。

「えっ、勘は結構当たるよ。」

「そういうことじゃないけどさ・・・まぁいいや。」

田中が少し悲しそうにそっぽを向く。

「田中が悲しいとあたしも悲しいから

何かあったらいつでも相談してね。

マコ君みたいに田中にも幸せになって

貰いたいからさ。」

「日和ちゃん、そういうこと言うなよ。」

田中の顔がボッと赤くなった。

「えっ!?」

目を見開いて田中を見る。

「あんまこっち見ないでくれないかな?」

田中が熱中症で倒れたら大変だよ。

「田中、熱中症になったの?」

「何かもうそれでいいや。」

田中ははぁとため息を吐いた。

「何か飲み物買ってくるけど、

オレンジジュースでいい?」

「あ、うん。」

そう頷くと田中に馬の被りモノを

被せられた。

「えっ!?」

まさかの登場しちゃった馬子さん。

「これなら、心配要らないね!!」

「えっ、心配おおありですとも。」

お主が心配なくても絵に心配があるよね。

馬子さんになりきってる女子高生が

男子校でウロウロしてていいの?