文化祭2日目は田中が1日自由だって言って

校門まで迎えに来てくれた。

「日和ちゃん、昨日は田中に聞いたけど

災難だったね。」

マコ君に会うといきなり何かの包みを

渡されて?を頭に浮かべた。

その包みを開けると馬の被りモノで、

えっとこれは何と聞こうとした。

「何かあったらって思うと居ても立っても

居られなくてプレゼント。」

マコ君は少し可笑しな発想の持ち主らしい。

「マコ、これはないんじゃない?」

サユの呆れた顔にそう?ってマコ君。

「これをプレゼントされるという理由

が分かりませんよね!!」

馬の被りモノとかいつ被ればいいのだよ。

「とりあえず、馬っていいと思うんだよね。

ほら、この馬結構カッコイイと思うよ。」

かっこよさは別に聞いてない。

マコ君とサユと4人で朝は回ったけど、

午後は2人っきりにしてあげようということで

また田中と一緒に回ることになった。

去り際、マコ君とサユには散々言われた。

田中から絶対に離れるなよとあの2人は

あたしの保護者じゃないかと疑いそうになる。

体育館では演劇を発表していた。

シンデレラを男子だけで演じていた。

主人公のシンデレラ役の男の子が

ありえないほど美人でビックリした。

田中もあれは女にしか見えねぇよって

笑っていたけど、彼もどうやら田中の

友人らしい。

田中は苛められているのかもしれないと

思っていたけど、苛められる要素なんて

どこにもなかった。

田中はとても良いヤツだというのをあたしは

中学の時から知っていたのだ。

心配して損した気分になったけど、田中が

楽しそうに高校生活を送ってくれていて

嬉しく思った。

「田中はいい友達を持ったね。」

みんな田中と仲良くしてくれる人は

よっちゃんたちみたいな人たちで良かった。

「そうか?」

「うん、とっても。」

田中はハニカミながら照れた。