田中は気が強すぎだよと言って苦笑いしていた。
「だって、向こうがぶつかってきたのよ?
普通はあたしが謝られるのが当然じゃない。」
「そうだけど、ああいうのは自分が悪いって
認めないんだよ。」
でも、何もなくて良かったよと緑色君。
「アイツら、東のヤツらだったな。
上條さんに報告してきた方が良さそうじゃないか?」
モヒカンが田中にそう言うと田中はそうだなと
言いながら考え事をしていた。
「田中、何かカッコイイね!!」
「日和ちゃん、今そういうコメント要らないよ。」
田中は苦笑いしながらちょっと行ってくるから
待っててくれと言って人ごみの中へと消えた。
「日和ちゃん、ああういうの怖くないんすか?
普通ならビビるとかしますよね。」
そう言われても悪いもんは悪い。
いくら、ハゲ田さんや鼻ピアスでも
していいことと悪いことぐらい説教垂らし込める。
「あれぐらいでビビってるなんてとっても
へタレです!!田中を見習って頑張るのです。
立ち上がれカラフルデンジャラスズ!!
見た目じゃないことを見せつける絶好の
チャンスだったじゃない。」
「日和ちゃんってだいぶ変わってるね。」
カラフルデンジャラスたちはあたしを
苦笑いで見ていた。
「田中はすごいからな。」
緑色君はにっこり笑った。
「うん?」
「日和ちゃん、でもああいうヤツらには
気を付けた方がいいよ。
今日もちゃんと田中に送って貰った方が
いいかもしれねぇな。」
モヒカンがう~んと唸ってる。
「えっ、どういうこと?」
「顔ばっちり見られたからちょっと用心
したことには越したことないってことだよ。」
メッシュ君がいうにはさっきの人たちは
東地区の結構有名な男子校の人たちなんだとか。

