お昼を過ぎると店番だからと言って戻って
しまうマコ君と田中と数人のカラフルデンジャラス
集団たちをお見送りする。
「ところで、姐さんどこか気になるところは
あるんですか?」
ここでもサユの女王っぷりは本領を発揮した。
すでに残った数人のカラフルデンジャラス
のモヒカン男が校内の地図を渡してくれた。
何かあったら大変だとか言ってマコ君が
付けた人たちである。
さすが、心配性でサユのこと溺愛ダーリンである。
「日和、何か行きたいところある?」
「この作品展示というのを見に行きたい。」
あまりこういうところに来るのは中々ない。
他校生がどれだけ素晴らしい作品を展示
しているのか見てみたいわ。
「そこっすね。」
モヒカンと一緒に青い髪のメッシュ君も居た。
そして、大縄を結んでコントをしていた緑色
の髪の彼も一緒である。
「ここは俺の彫刻があるっすよ。」
学校の案内をしてくれるのはとても助かった。
人ごみも彼らを見ると結構隙間を空けてくれた。
そして、作品展示会場に着くと緑色の髪をした
彼が自分の彫刻を紹介してくれた。
それがまたすごい作品だったのだ。
彼は器用な癖に笑いを取る天才だったようだ。
ゴリラの彫刻を掘ったという彼の作品は
すごく本物っぽくてそこにゴリラが居る
ようにも思えた。
「何故、ゴリラにしたんだ?」
「これはっすね、くじで決めたんっすよ。」
くじで決めたのか。
「キミ、とても面白い。」
緑色の髪はどうも見慣れないけども、
不良メンバーズとあまり変わらないわね。
見た目だけ派手で怖そうに見えるけど、
実は案外良いヤツだったりするという
あの方程式なのかもしれない。

