ギュッと両手を掴まれた。
「知恵の輪がやっと外れたんだよ!!」
今時、知恵の輪ですか?
しかも、今の衝撃で外れたのですか?
それは知恵を使ったとは言いませんよね。
「そ、それは良かったですね・・・」
とっても、変わった人です。
顔がよく見えないのが残念だわ。
「君は幸運の女神さ。」
「頭でもぶつけましたか?
それは大変ね、近くの救急センターへ
急ぎましょう!!」
人に初めて女神と言われました。
パシっと両手を握られる。
「えっ、あの・・・・・」
「俺、君のことが・・・・」
な、何かしら?
ドキドキとその言葉の続きを待っていると、
「日和ー、日和ー」
サユが探しているみたいだわ。
「ごめんなさい、どこも怪我はされていませんか?
友達が探しているようなので行きますね。
一応、心配なので絆創膏です。」
ひよこ柄の絆創膏を差し出して愛想笑いを
浮かべてその場を去った。
「あ、あのー!!」
何、かしら?
振り返ろうとした時にはサユが来て、
遅かったじゃないのと言われた。
結局、あの人は大丈夫だったのかしら?
とても、変わった人だった。
「日和、明日は迎えに行くからね。」
とりあえず、サユが楽しみにしている
ようなので今日は早く寝ましょう。
13日は金曜日を無事に乗り越える
ことが出来てホッとするのだった。
家に帰るとジョセフィーヌがあたしの
帰りを今か今かと待っていたようで
玄関を開けると飛びついてきた。