「そろそろなの」 いきなり切り出した十六夜 何がそろそろなのか分からない琉威たちは首をかしげる 「今日、私の名前をね、一度だけ呼んだのよ」 「え?」 まだ普通の犬で妖怪でない影狼は、話せないし十六夜の言葉の意味が分からない だが十六夜の名前を呼んだということは 「影狼の中の妖怪としての能力が目覚め始めてる――完全な妖怪になる日が近いの」 「…そうなんだ」 こんな仔犬が話したっていうことと、こんなかわいい仔犬が恐ろしい妖怪になろうとしていることが信じられなくて、皆影狼を呆然と見つめる