3学期がスタートした。
年末年始の別荘旅行は、
両家の両親が親睦を深めるという位置づけで行われ、
俺らは、多少のイチャラブ感はあったものの、
さすがに両親がいる建物の中で……とは無理があって。
散歩に連れ出したり、部屋で宿題をする時に
ちょこっとだけ触れ合った。
高校生活も残すところあと3ヵ月。
センター試験を控えてる友人も多く、
結構ピリピリとした雰囲気の中。
「ユウ、おめでとう」
「おぅ、さんきゅ」
「彼女と離れて暮らすの、大丈夫そう?」
「とりあえず、スタメンに決定するまではブーブー言えないし」
「そっか」
ユウはJリーグ(J1)のチームからスカウトを受け、
プロ契約を結んだようだ。
車で1時間ほどの場所にある施設で日々練習するらしい。
ユウの彼女は既に美容専門学校に合格していて
2年間は、ある程度の距離を置きながら
時間を見つけて逢瀬を楽しむらしい。
みんなそれぞれに将来を見据えて、
子供から大人へと成長を遂げる時期。
まぁ、俺もその一人だけど。