「アキ〜これやって遊ばう」

「アキ、絵本読んで」



俺が11歳になる少し前に職員としてやってきた女。



全身から優しさを醸し出していて、いつも笑ってる女だった。


見た目は極普通の女なんだけど。




でも、女嫌いなはずなのにアキだけは一度も拒む気にはならなかった。

不思議な女だと思った。





アキはラヴとよく一緒にいる。

2人は恋人なのだろうか。



ラヴは今じゃ有名人で、施設の子ども達からも愛されてる存在だ。


俺はラヴは、なに考えてるのかよくわからない奴だと思ってた。




でも、たまに一緒に遊んでくれる時のラヴがふと見せる優しい顔が、子どもを見守る父親みたいに感じていた。



今日も外を見ると、たくさんの子ども達が仕事に行くラヴに纏わりついている。