アキはたまに疑問に思う事がある。


特に気にならないといえばならないが、気になり出すと気になって仕方がない。



アキはそんな事を思いながら、リビングで紅茶を啜るラヴを凝視していた。




「…何ですか?そんなに見つめられると照れてしまいますよ」


「ラヴも子ども達も日本語をペラペラ話すけど、頭の中は何語なのかなって思って」



アキが気になっていた事は、普段日本語で会話をする彼らは頭の中で何かを考える時、何語で考えているのかという事だった。



彼らは生粋のイギリス人であり、イギリスで育った。


だから英語の方が話しやすいのではないかと思ったのだった。




「そうですね。そういえばふと考えている時は英語になりますね」


「アシュリー達もかな?あたしが英語わからないから日本語で喋ってるけど、英語の方が話しやすいよね、きっと」


「でも子ども達は今は日本語の方が話しやすいのではないでしょうか」




ラヴはカップを置くと、アキを見つめてニッコリと笑う。




「確かに育った環境が違いますから、文化や言語の違いは否めません。でも人間は置かれている環境にいずれ慣れるものですから大丈夫ですよ」


「じゃあラヴの敬語はクセ?それとも日本語だから敬語になるの?」


「私のはクセですね。…他人行儀みたいで嫌ですか?」


「ううん。もうそれに慣れちゃったから、ラヴは敬語じゃなきゃ変かも」




ラヴは立ち上がると、アキの頭をポンと叩いて紅茶のカップを下げにキッチンへと向かった。