「俺からお前を奪おうとする奴はどんな奴だって許さない……」


 一条の灼熱の視線に見下ろされ、奈央は耐え切れなくなって身を捩るが、一条の手によって阻まれる。


 逃げる唇を追うように、再び唇に烙印を押される。



 暗い部屋の中で噎せ返るような淫靡なしっとりとした空気の中に、耐えることのない甘美な息遣いがいつまでも響いていた。