一条も最近料理教室に臨時講師として生徒に教える仕事が増えたと言っていたのを思い出した。



『一条さんが講師を務めてるっていう料理教室勧めてあげようかな』




 そう思いつつ奈央は逡巡していた。




 頭の中に二つの選択肢が浮かび上がる。





『教える』



『教えない』