家元の寵愛≪壱≫



俺は先にシャワーを浴び終え、



「ゆの、入って来い」

「はい」

「あっ…」

「……何か?」

「背中、流してやろうか?」

「ッ?!けけけけけっ、結構ですッ////」



ゆのは一目散に浴室へと。


フフッ……マジで可愛すぎ。

ヤバい、俺すげぇ性格悪くなってる。

けど、照れるゆのを放っておけねぇっつうの。



いよいよ明日が本番か。

まぁ、花見宴の時より緊張はしてないが、

それでもやっぱり、落ち着かない。


俺は目を閉じて、大きく息を吸った。


ゆっくり、ゆっくり……。


深く…長く…呼吸を繰り返し、


身体の力を抜いて……


精神統一を図る。









どれくらいの時間そうしていたのか…。


気付くと―――――、