「「「お疲れ様です」」」


部屋の中にいる弟子から挨拶が…。


「ご苦労様、……申し訳ない。俺が自らするべきなのに…」

「大丈夫ですよ。それより、鈴月庵(りんげつあん)の若様とは?」

「ん、これから」

「今回はどのようなお品を拝見出来るか、今から楽しみでなりません」

「うん、俺も」

「では、こちらは私共で間に合いますので、先方様のもとへ…」

「ん……では、宜しくお願いします」



俺が軽く会釈をすると、

弟子達は揃って深々お辞儀を。

俺は彼女らを部屋に残し、ゆののもとへ。



部屋に戻った俺は着替えを済ませ、

ゆのと共に待ち合わせ場所へ。



「ゆのは初めてだよな?鈴月庵の若旦那」

「鈴月庵?」

「ん、うちとは古い付き合いで、まぁ…うちの専属和菓子屋なんだ」

「へぇ~和菓子屋さん…」

「そう、日本での茶会は配達が可能だけど、海外はそうも行かないだろ?」

「あぁ~なるほど~」

「だから、いつも同行して貰ってる」

「えっ?でも、飛行機ご一緒じゃ無かったですよね?」



ゆのは不思議そうに…。