家元の寵愛≪壱≫



「ありがとな。ゆのが居てくれれば俺は俺で居られる」

「//////////」

「暫く、忙しい日々が続くが宜しくな?奥様」

「ッ!!////////」

「ん?」

「………はい////////」



優しい彼の温もりに包まれながら

私は……心地良い眠りについた。






茶会当日―――――。


今までの稽古の集大成とも言えるこの日を迎え、

私は緊張のピークに達していた。



早朝からお義母様に呼ばれ、

お義母様にキッチリと着物を着付けて貰い

鏡台の前で深呼吸。



「大丈夫よ、ゆのちゃん。私もついてるから」

「はい」



緊張のあまり顔が引き攣る。


以前に頂いた翡翠の帯留めを身に着けて。




「さぁ、行きましょう!!」

「はい!!」



執事の杉下さんの運転で、

お義母様と共に茶会会場へと向かった。