静まり返る寝室で……。
私は愛しの隼斗さんの腕に抱かれ
まな板の鯉のように
彼に身を委ねるしか成す術が無い。
こういう時はどうしたらいいの?
緊張しすぎて呼吸が辛い。
「ゆの」
「……はい」
「茶会まで、あと1週間だな」
「……そうですね」
「実を言うと、ちょっと不安なんだ」
「えっ?」
「毎日のように点ててるお茶も不安で堪らない」
「……何でですか?」
「親父の点てるお茶と違って、万人受けするだろうか?」
「………万人受けさせようとしなくていいんじゃないですか?」
「………」
「心を込めてお茶を点てる。ただそれだけで」
「………フッ、そうだったな」
抱きしめられていた腕が一瞬、緩まると
「んッ!?」
更に強まった腕に捕らえられた。
向かい合う私の身体は…
隼斗さんの首筋に顔を埋める形で。



