家元の寵愛≪壱≫



伊豆の別荘から戻った私達。

お義父様とお義母様は温かく迎えてくれた。


恥かしくて顔も上げられない。



用意された夕食の膳を目の前に私は言葉を失った。




「母さん!!赤飯って何だよ!?」

「あら、いいじゃなぁ~~い。お祝い事には付き物よ~?」

「//////////」

「親父!!何で止めなかったんだよ!?」

「悪い、気付いた時には…」

「ったく!!」

「//////////」



お義母様のお気持ちは有難いけど

やっぱりこれは恥ずかしすぎる。



「さぁさぁ~~、2人ともそんな所に立ってないで」


手招きするお義母様を目の前に…


「ゆの、ごめん…」

「………いえ」


隼斗さんと共に腰を下ろした。


お義父様は終始苦笑いで。

お義母様は相変わらず満面の笑みで。


隼斗さんはというと……