ふわりとひざ掛けで包まれた私を
さらに包み込むような形で抱きしめた。
「寒いか?」
背後から耳元にかかる彼の吐息に
軽く眩暈を覚え始める。
隼斗さんはカップの中のココアに
フゥ~フゥ~っと息を吹きかけ、
「ん、少し熱いかもしれないが身体が温まるぞ?」
「//////////」
背中越しに感じる彼の体温
耳元にかかる甘い吐息
目の前に差し出された彼の優しさ
その何もかもに酔いしれ、私は倖せを噛みしめた。
「は、隼斗さんは飲まないの?」
「ん?俺?………飲むよ?」
「ん?」
「ゆの、ちょっと飲んで?」
言われるままに少し口に含むと
「……んッ!?」
強引に唇を奪われて、
唇から漏れたココアを舐めている。
「んッもうっ!!//////」
「甘くて旨い」
悪戯っぽく微笑む彼。
頬と頬が触れそうな距離。
ココアの甘い香りが漂う室内。
ココアの甘さに負けないほどの
甘い空気が私たちを覆っていた。



