お色直しをしている間に教えて貰った事。
普通なら乾杯の挨拶の後にケーキカットらしいが、
パフォーマンスの経緯もあって、順番を変えたらしい。
それに普通なら主賓祝辞というモノもあるらしい。
けれどそれも、『堅苦しい』の一言で組み込まれていないのだとか。
隼斗さんらしいと言えばそうなのかもしれないが、
きっと、場馴れしていない私の事を考えての彼の優しさ。
緊張を極限に抑え込み、心の底から愉しめるようにと。
隼斗さんとは別の部屋で着替えを済ませ、軽くメイクも直された私。
鏡に映る自分に息を呑んだ。
「ゆのちゃん、綺麗よ」
さゆりさんの言葉が心に響く。
思わず頬が綻ぶと、
「この髪飾りは華道家・桐島蘭清さんのオリジナルデザインだそうで、先程のブーケも会場を彩る花々も全て彼による演出だそうよ」
「えっ?!」
「華道界の大御所に祝って頂けるなんて、本当に羨ましいわ」
そういえば、先日お義母様と桐島家に伺った際に
真剣な表情で私を見ていた。
私の顔を隠して何やらイメージを浮かべていたっけ。
それに、私を作品のイメージモデルだとおっしゃっていた。
―――――全てはこの日の為に。



