「ん?」
見るからにグラスにそぐわない色のその飲み物。
シャンパングラスなのに透明じゃない。
会場もざわざわと声が漏れ出すと、
「えぇ~では、乾杯の音頭を取らせて頂く前に、皆様のお手元にございますこちらのお酒は、ご新郎自ら考案した『抹茶シャンパン』でございます。茶道の家元らしい心遣いですよね。そして、ご新婦を始め、ご新婦のご友人の皆様は未成年という事もございますので、こちらはノンアルコールとさせて頂きました。仄かに広がるお抹茶の香りをお楽しみ下さい」
静乃さんがそう言い終えると、会場は温かい空気に包まれた。
彼の優しさがそうさせたモノ。
そして、玲のお兄さんの乾杯挨拶で宴がスタートした。
一様にグラスに口を付け、歓談が始まると、
先程までとは言わないが
会場内が一気に薄暗くなり再び静けさが訪れた。
今度は何なの?
辺りにキョロキョロと視線を泳がせると、
会場内の左側に設けられていた厨房ブースにスポットライトが。
「えっ?!」



