家元の寵愛≪壱≫



「隼斗さん」

「ん?」

「ありがとうございます。こんなに素敵なお式を用意して下さって」

「フッ、御礼はまだ早いぞ?」

「へ?「只今より……―――……」


隼斗さんの言葉に驚いた所で、司会者と思われる静乃さんの挨拶が始まった。


どうやら、司会進行は『香心流』のお弟子さん達がしてくれるらしい。

皆同じ色の着物姿でステージ脇に一列に並んでいる。


静乃さんの挨拶が終わると、

別のお弟子さんがステージに用意されたスクリーンを使って、

面白おかしく、私達(新郎新婦)の紹介を始めた。


すると、会場からドッと笑い声が湧き起こった。

皆の視線の先は勿論、スクリーン。


笑い素因は隼斗さんの幼い頃の写真。

フェイスパックをしているお義母様の隣りに

お抹茶を顔に塗ったくっている幼い隼斗さんが映し出されていた。


更に、生け花のお稽古でもしているのか、

お弟子さん達と並んで座っている彼の髪に

ピンクのガーベラが刺さっていたり。


今の彼からは想像も出来ないような姿が露わになっていた。


「何だよ、コレッ!!」


隣りに座る彼も知らなかったらしい。

相当、恥かしそうにしている。


静乃さんに視線を向けると、

何とも意味ありげなしたり顔をしていた。