改めてドレスに視線を落としてみる。
クラシカルなAライン
一見無地っぽいが生地に繊細に刺繍が施され
重厚感のあるシルクサテンで作られたドレスは
どこかの国の王族が身に纏うような
エレガントで洗練されたスタイルである。
しかも、そのドレスにブーケとベールとグローブまで。
どこから見ても完璧なドレス姿。
私に似合うかどうかは別にして、
これを隼斗さんが選んでくれたというだけで
胸の奥がジーンと想い焦がれる。
目を閉じて、感動をじっくり味わっていると
「ゆの」
「?」
突然、思わぬ人の声がして身体が一瞬固まった。
「お父………さん?」
気付かぬうちに私の足元に跪いていた。
「綺麗だな。静子にも見せたかったな」
「おとっ………ッ……」
父親の登場と、亡き母の名前が出て来て
止まっていた涙腺が再び崩壊しそうになる。
必死に涙を堪えて父親を見ると、
彼もまた燕尾服を着ているではないか。
「………どういう……事?」



