家元の寵愛≪壱≫



メイクをし直す為にスツールに腰掛けたものの

止まる事を知らない涙は私の頬を何度もつたう。


そっと手渡されたハンカチにアイメイクの色が移りゆく。


「ん~、これ以上は不味いわね」


小さく呟いた月島さん。

恐らく、直せない程、メイクが崩れてしまってるんだ。

アシスタントの女性スタッフに耳打ちしている。



……どうしよう。

まだ写真撮影があるのに……。


必死に堪えようと胸に手を当て、

意識して呼吸を整えていると……。



「ゆのッ!!」

「…………隼斗さぁ~~ん」


駆け寄る彼に思わず抱きついてしまった。

もう、どうしたらいいのか分からない。


全てはあなたが悪いんだから………。


「もう少しだけ、我慢出来るか?」

「…………」


私は小さく頷いた。

彼が隣りに居てくれさえしたら、

きっと大丈夫な気がする。


彼の身体から少し離れて、改めて彼を見ると


「ッ!!/////////」

「ん?………どうかしたか?」