家元の寵愛≪壱≫



彼がデザインしたという、このドレス。

胸元から裾へとピンクのグラデーションドレープがとても綺麗で

自分がお姫様になったみたいに胸が躍る。


隣りに王子様がいるから、

これが夢なのか、現実なのか分からなくなるほど。


私達は内庭でロケーションフォトを撮り、

建物内のあちこちで写真を撮った。



驚いた事にドレスは1着ではなく、

ピンクのドレスを始め、

深紅のドレス、青みがかったグレーのドレスと

3着ものドレスで数え切れないほどの写真を撮った。


……勿論、隼斗さんも3着着こなして……――……。



カメラマンさんの冗談めいたトークが面白くて、

時間が経つのもすっかり忘れ、

撮られる事に慣れて来た頃、

ふと窓の外を見ると、既に薄暗くなっていた。



「ゆの」

「ん?」

「ちょっと休憩したら、もう1着いいか?」

「え?……あっ、はい」



スッと差し伸べられる彼の手。

私を労わるように腰を支えている。


慣れないヒールを長時間履いたモノだから

既に足下がふらついているみたい。


そんな彼の優しさに胸がキュンとした。